小山慶一郎 NEWSメンバー

「小夏ターゲット!小夏ターゲット!飲み干せ!」――2018年5月末、その短い叫び声がSNSを揺るがした。ジャニーズグループ「NEWS」のリーダーとして、さらにテレビの顔・ニュースキャスターとして活躍していた小山慶一郎。その音声がTwitterに流出した瞬間、インターネットは騒然とした。これが「小山慶一郎・小夏ターゲットコール」事件の幕開けだった。

小山慶一郎とは――事件前のプロフィールと評価

小山慶一郎(こやま けいいちろう)は1984年5月1日生まれ、神奈川県相模原市出身の男性アイドルグループNEWSのメンバーだ。アイドルでありながら、知性派として知られていた。明治大学文学部史学地理学科を卒業し、2007年には卒業式で模範卒業生に選ばれた。さらに、2010年3月から日本テレビ系報道番組『news every.』に出演し始め、2014年1月より月曜から木曜日の第1部メインキャスターを務めた。

アイドルとキャスターを掛け持ちするというスタイルは当時珍しく、「知的なジャニーズ」という好印象をファンや視聴者に与えていた。だからこそ、2018年5月に流出した音声の衝撃は大きかった。

「小夏ターゲットコール」事件の発端――何が流出したのか

音声流出 SNS炎上イメージ

話題となったのは、NEWSのメンバー・小山慶一郎と加藤シゲアキが、19歳の女子大生と飲酒していると思われる音声がTwitter上に流出したというものだ。その音声には、特定の女性の名前を使ったコールが録音されていた。

「小夏ターゲット」とは、小山慶一郎が未成年の女性にした飲み会のコールのことであり、コールをされた相手は田口小夏さんという当時未成年だった大学生だった。音声の内容は単純ながら衝撃的だった。カラオケ店とみられる場所で男女数名が盛り上がっている場面が録音されており、「〇〇ターゲット、〇〇ターゲット、飲み干せ!」と言って問題の未成年者にイッキ飲みをさせているような場面があった。

音声からは「小夏」「ミキ」「シゲ」「小山」という名前が確認でき、飲酒している空間に少なくとも4人いることがわかった。コールの声については、「小夏ターゲット!小夏ターゲット!飲み干せ!はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!」という声が小山慶一郎のものだと指摘された。

コールの原曲はBIGBANGの「FANTASTIC BABY」

なぜあのコールがこれほど印象的だったのか。音楽的な理由がある。加藤シゲアキと小山慶一郎がコールをしているときに流れていた曲は、韓国のアーティストグループBIGBANGの「FANTASTIC BABY」という曲だった。

また「〇〇ターゲット!飲み干せ!」というコールは、BIGBANGの「FANTASTIC BABY」の日本語バージョンの歌詞にある「君はターゲット 僕のターゲット」が元になっているとみられる。韓国の人気アイドルグループの代表曲のリズムに乗せた飲酒コールという構図が、ある種の「中毒性」を生み、音源がSNS上で急速に拡散する一因ともなった。

元々「知的」なイメージでキャスターも務めていた小山慶一郎が、「チャラい」という印象の飲酒コールをしていたことは、多くの視聴者にとって意外であり、イメージダウンにつながった。

加藤シゲアキの関与と処分の違い

事件は小山慶一郎だけの問題ではなかった。NEWSの1人・小山慶一郎が起こした事件で、まだ未成年で19歳だった田口小夏にお酒を飲ませるコールなどをしてその飲み会にいた誰かがその音源をTwitterに流出させた。その場には同じNEWSのグループの加藤シゲアキもいた。

ふたりに対する処分には明確な差が生じた。小山慶一郎は明らかに飲酒を強要していることや、ニュースキャスターという立場から活動自粛という処分となり、加藤シゲアキは飲酒を制止する行動をとっていないということで、厳重注意と書面での反省文を提出するとのことだった。つまり、積極的にコールをリードした小山と、それを止めなかった加藤では、責任の重さが異なると判断されたわけだ。

「news every.」降板と活動自粛の経緯

ニュースキャスター 降板イメージ

音声流出後、ファンや視聴者がまず注目したのは、小山が担当していた人気報道番組だった。小山は2014年1月より『news every.』で月曜から木曜日の第1部のメインキャスターを務めており、2018年6月上旬まで続けていた。しかし事件の報道を受け、番組への出演は事実上の終わりを迎えた。

小山慶一郎は2018年6月7日に文春に報道され、未成年の女性と飲酒していたことで活動自粛をすることになった。長年にわたって築いてきたキャスターとしての信頼が、一夜にして崩れ落ちた。2018年12月にキャスターを降板した。

ネット上の反応は激しかった。「NEWSはもう終わりだ」「コヤシゲが未成年と飲酒とかショックすぎる」といった声が多数あがり、グループそのものの存続を心配するファンも少なくなかった。

田口小夏さんはどんな人物だったのか

飲酒強要された疑惑が浮上している女子大生の小夏さんが、自身のインスタグラムアカウントに24時間で消えるストーリー機能を使用し、今回の騒動に言及したメッセージを投稿したことでNEWSファンたちの注目を集めた。当時の彼女は19歳の一般人であり、急に大きな注目を浴びることになった。

小夏ターゲットの「小夏」とは、飲酒を強要されたとされる19歳女性の名前であり、ネットでは可哀想なくらい名前やSNSを晒されていた。一般人への過剰な拡散と誹謗中傷は、この事件における別の問題として指摘された。芸能人のスキャンダルに巻き込まれた一般人が大量のバッシングを受けるという、SNS時代特有の構図がここでも繰り返されたのだ。

事件から1年後――「小夏ターゲット」が再び話題に

話はそれで終わらなかった。NEWSの未成年飲酒事件から1年後、小夏さんが「小夏ターゲット」をネタにしたとされ、ファンの間でTwitterが荒れる騒動が起きた。事件の傷跡がまだ残っているなかで、当事者が問題のコールを自らネタにするような行動をとったとされたことで、ファンから激しい批判が寄せられた。

この再炎上が示しているのは、SNS上の「スキャンダル」が一度流れても消えないという厳しい現実だ。「小山慶一郎・小夏ターゲットコール」という検索ワードは、事件から何年が経っても定期的にトレンド入りし続けた。

未成年飲酒問題が問いかけるもの――芸能人の責任

この事件は、単なるスキャンダルにとどまらない問題を社会に投げかけた。未成年者へのアルコール提供は日本の法律で明確に禁じられている。しかも、当事者がニュースキャスターを務める公人であれば、その社会的責任はより重い。

芸能人が「プライベートだから」という理由でSNSの目から逃れられる時代はとっくに終わっている。スマートフォン一台で音声も映像も簡単に記録・拡散できる現代において、私的な場での言動がいつでも公になりうるリスクを、この事件は改めて可視化した。

小山慶一郎のその後――再起と現在の活躍

アイドル 再起 芸能活動 イメージ

活動自粛と降板という打撃を受けながらも、小山はNEWSのリーダーとしてグループを支え続けた。2020年6月の手越祐也の脱退により、小山・加藤シゲアキ・増田貴久の3人体制となった。そして2023年にはNEWS結成20周年を迎え、東京ドーム公演を含む記念ツアーを完走し、「NEWSを守り抜いたリーダー」としてファンから絶大な信頼を寄せられた。

私生活でも大きな転換点が訪れた。2024年3月13日、男女混成グループ「AAA」の宇野実彩子さんとの結婚を発表した。そして、2025年6月6日には妻の宇野実彩子との間に第1子が誕生したことを報告し、NEWSのメンバーでは初の父親となった。

芸能活動の幅も広がった。2025年1月に芸能生活25周年を機に始動したソロプロジェクト「CHOIYAMA」では、YouTubeチャンネルとTikTokを開設し、企画・プロデュースをすべて本人が手がけている。さらに、2025年9月5日公開の映画『アオショー!』では合唱部部長の高校生役にて41歳で映画に初出演した。

「小夏ターゲットコール」事件が残した教訓

「小山慶一郎・小夏ターゲットコール」事件は、芸能界とSNS社会の交差点で起きた典型的なスキャンダルだ。流出した音声の短さとは裏腹に、その影響は長く、深かった。人気キャスターの降板、グループの存続危機、一般人への誹謗中傷——一つの飲み会での言動がここまで波紋を広げることを、当時の当事者たちは想像していなかっただろう。

公人であるかどうかに関わらず、SNS時代において「プライベート」という概念は揺らぎ続けている。この事件はその現実を、誰の目にも見えるかたちで示した。小山慶一郎はその後、長い時間をかけて信頼を取り戻してきた。だが「小夏ターゲットコール」という言葉が検索エンジンの上から消えることは、おそらくない。それが、デジタル時代におけるスキャンダルの本質的な重さだ。